総江は部屋近くの縁側に屈んで、雨漏りに当てがはれた雑巾を絞り直し、濡れた畳や床板を拭いてゐた。
多次郎は、雨滴れの溜つてゐるバケツの縁へ手をかけて、はじめは母親の機嫌のことを考へてゐたが、別に叱りさうな気勢はないのでヂャブヂャブと手を掻き廻しはじめた。
総江はただ何も言はずに、多次郎の泥だらけな足を丁寧に拭いてやつた。
総江は部屋近くの縁側に屈んで、雨漏りに当てがはれた雑巾を絞り直し、濡れた畳や床板を拭いてゐた。
多次郎は、雨滴れの溜つてゐるバケツの縁へ手をかけて、はじめは母親の機嫌のことを考へてゐたが、別に叱りさうな気勢はないのでヂャブヂャブと手を掻き廻しはじめた。
総江はただ何も言はずに、多次郎の泥だらけな足を丁寧に拭いてやつた。