何の気なしに登つてきたら、老婆はいまだに同じ場所にグッタリして、無表情な顔をしたまま俯向いてゐたが、駄夫の姿が近づいてくると顔をそむけ、肩のあたりへ垂れてゐる窓掛けをちよつと掲げて外を見てゐた。
外はまだ、飄々と狂ふ風であつた。
駄夫が上衣へ手を通してゐたら――
何の気なしに登つてきたら、老婆はいまだに同じ場所にグッタリして、無表情な顔をしたまま俯向いてゐたが、駄夫の姿が近づいてくると顔をそむけ、肩のあたりへ垂れてゐる窓掛けをちよつと掲げて外を見てゐた。
外はまだ、飄々と狂ふ風であつた。
駄夫が上衣へ手を通してゐたら――