なぞと飛んでもない詠歎を述べて、よよと泣き伏してしまふのである。
莫迦々々しいやら情無いやら、駄夫もさんざんの体で、天井をヂッと仰いだり、汚い壁や破れた障子を見廻したり――虚しい視覚や聴覚なぞで纔かに心を作りながら、冷い手触りの茶碗を捉りあげるよりほかに仕方がなかつた。
その放心の底を探ると、俺も、もう、この家を立ち去らねばなるまい――と、茫漠として雲のやうな一つの心を掬ひあげることが出来た。
なぞと飛んでもない詠歎を述べて、よよと泣き伏してしまふのである。
莫迦々々しいやら情無いやら、駄夫もさんざんの体で、天井をヂッと仰いだり、汚い壁や破れた障子を見廻したり――虚しい視覚や聴覚なぞで纔かに心を作りながら、冷い手触りの茶碗を捉りあげるよりほかに仕方がなかつた。
その放心の底を探ると、俺も、もう、この家を立ち去らねばなるまい――と、茫漠として雲のやうな一つの心を掬ひあげることが出来た。