勿論駄夫はその事を知つてゐたが、それが如何様な手紙であり、又、その消息をとりまいて、この侘びしい竹藪の家ではどんな評定が開かれたかも彼は知らずに過してゐた。
竹藪の家では、それが毎日の慣はしではあるが、喧嘩以外に殆んど言葉の交される模様が、窺はれないのであつた。
食事の終る時分から、総江は再び気を取り直して、シャンとして手際よく跡片付けに精を出したり、全く機嫌のいい顔をして「駄夫さん、泣いたりして済まなかつたわね――」なぞ言ひ乍ら笑ひ出して、坐り直したりした。
勿論駄夫はその事を知つてゐたが、それが如何様な手紙であり、又、その消息をとりまいて、この侘びしい竹藪の家ではどんな評定が開かれたかも彼は知らずに過してゐた。
竹藪の家では、それが毎日の慣はしではあるが、喧嘩以外に殆んど言葉の交される模様が、窺はれないのであつた。
食事の終る時分から、総江は再び気を取り直して、シャンとして手際よく跡片付けに精を出したり、全く機嫌のいい顔をして「駄夫さん、泣いたりして済まなかつたわね――」なぞ言ひ乍ら笑ひ出して、坐り直したりした。