と急いで包みを取り出してみせるのを、駄夫はそれでも至極機嫌のいい笑ひ顔を作つてみせて「とても忙しいんだぜ――」と言ひながら、大袈裟な様をして、踊るやうに構はず二階へ上つてしまつた。
この町の、場末の映画常設館の映写技手を勤めてゐる与里は、小屋がはねるまで――かれこれ十時をまわらなければ帰宅しない習慣であつた。
電燈を捻ると、又しても劇しい耳鳴りがジンジンと湧きはじめた。
と急いで包みを取り出してみせるのを、駄夫はそれでも至極機嫌のいい笑ひ顔を作つてみせて「とても忙しいんだぜ――」と言ひながら、大袈裟な様をして、踊るやうに構はず二階へ上つてしまつた。
この町の、場末の映画常設館の映写技手を勤めてゐる与里は、小屋がはねるまで――かれこれ十時をまわらなければ帰宅しない習慣であつた。
電燈を捻ると、又しても劇しい耳鳴りがジンジンと湧きはじめた。