駄夫は階下へ降りてきた。
外の光も知らぬげに与里は六畳に伏せつており、台所には立ち働く総江の姿を見ることができたが、玄也夫妻は見当らぬし、老婆も多次郎も姿が無かつた。
何か白らけた出来事があつて与里と総江は気重い無言を固執してゐたものとみえ、空々しい薄暗がりが其処ら一杯にはびこつてをり、与里の寝顔は激しい空虚に殆んど間抜けなものに見えた。
駄夫は階下へ降りてきた。
外の光も知らぬげに与里は六畳に伏せつており、台所には立ち働く総江の姿を見ることができたが、玄也夫妻は見当らぬし、老婆も多次郎も姿が無かつた。
何か白らけた出来事があつて与里と総江は気重い無言を固執してゐたものとみえ、空々しい薄暗がりが其処ら一杯にはびこつてをり、与里の寝顔は激しい空虚に殆んど間抜けなものに見えた。