「ああ、このままでいいかしら?
窓に凭れてゐた玄也はにわかに立上つて母と服装を一気に見廻し、次に懐へ手を差入れて何かと衣服を調へ直すやうにしたが――するとその一寸した沈黙の中へ、与里は懶うげな顔を横にねかせたまま
「なにも二人で出掛けることはないのに――」
「ああ、このままでいいかしら?
窓に凭れてゐた玄也はにわかに立上つて母と服装を一気に見廻し、次に懐へ手を差入れて何かと衣服を調へ直すやうにしたが――するとその一寸した沈黙の中へ、与里は懶うげな顔を横にねかせたまま
「なにも二人で出掛けることはないのに――」