ケイズ……家代々の系図、万世一系の系、それあの系図さ、と男は怪訝な顔付をした駄夫に向つて細かく説明して、近頃自分は大変景気のいいことをムキになつて信じさせやうとした。
その話はどこまで信用していいものか分らないが、世間には系図に悩む人々が沢山あつて、斯んな便利重宝な機関があつたのかと狂喜して意外な礼金を投げ出す成金もあつたほどだと男は得意げに語つてきかせた。
「名前は特に隠すがね、商売は信用だからよ、人の秘密は洩らせないからよ――」
ケイズ……家代々の系図、万世一系の系、それあの系図さ、と男は怪訝な顔付をした駄夫に向つて細かく説明して、近頃自分は大変景気のいいことをムキになつて信じさせやうとした。
その話はどこまで信用していいものか分らないが、世間には系図に悩む人々が沢山あつて、斯んな便利重宝な機関があつたのかと狂喜して意外な礼金を投げ出す成金もあつたほどだと男は得意げに語つてきかせた。
「名前は特に隠すがね、商売は信用だからよ、人の秘密は洩らせないからよ――」