坂口安吾 『竹藪の家』 軈て午に近い頃、出勤の与里と二人、麗かな光を浴びて此の家に別れを告げた。 竹藪はひつそりとして耀やきに満ち、その静寂の中に、軈て訪れやうとする夏の感覚が新鮮な息づきを忍ばせてゐた。 家を出でて振り仰ぐと、この陰鬱な長屋自身も亦耀やきの中にあつた。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア