坂口安吾 『竹藪の家』 余程歩いてのち、もう一度念のために振向いてみたら、矢張り与里も、薄汚い幟のヒラヒラする下で、遠い雲でも眺めるやうに、駄夫の姿を見送つてゐた。 駄夫が高々と杖を振り上げたら、その人像も痩せた腕を差し上げて、帽子を静かに、左右に打ち振つてゐた。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア