坂口安吾 『蝉』 時々、我に返ると――(私は嗤はれることを厭はないが――)私は泪を流してゐるのであつた。 如何とも仕方がないと言ふほかはない。 別に意識のあるわけでなし、心を鎮めて伏してゐると、果ての知れない遠い処に澎湃と溢れ、静かに零れるものがあつた。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア