そこで私は、そのとき何物かの気配に由つて已に全く孤独であることを納得せしめられて、――然し、もはや、その静穏な孤独も悦ぶ気力のない私は、やがて甚だ沈鬱な動作と共に、ガッカリとただ寝倒れてしまふのである。
するとそれらの一点に於て、殆んど信じ難い唐突な一瞬間に、盛夏の鮮やかな風物が、耀やく屋根が、懶うい径が、鳴きしぐれる蝉の音が、頭上に近くさやさやと鳴る微かな風が――忽ち展かれた窓のやうに、そして忽ち閉ぢられて行く窓のやうに、爽やかに滲み溢れて――そして又、闇のさ中へ還へるのである。
騒音の第二――私は、(当然私と呼ばるべき断乎たる一聯の感情は)、断乎として――私は、ここの倅を好まないのだ。