するとそれらの一点に於て、殆んど信じ難い唐突な一瞬間に、盛夏の鮮やかな風物が、耀やく屋根が、懶うい径が、鳴きしぐれる蝉の音が、頭上に近くさやさやと鳴る微かな風が――忽ち展かれた窓のやうに、そして忽ち閉ぢられて行く窓のやうに、爽やかに滲み溢れて――そして又、闇のさ中へ還へるのである。
騒音の第二――私は、(当然私と呼ばるべき断乎たる一聯の感情は)、断乎として――私は、ここの倅を好まないのだ。
私は、(私は、私は――)、金属性の物音が嫌ひである、私は、(私は私は――)全て金属的な存在が、金属的な神経が、嫌ひである。