と言つて、それだからと言つて、私は別に義憤を感じて爰に立ち上つた英雄では決して無く、私の所論が受け容れられる容れられないに拘泥なく、一人白熱して熱狂しやうとする――つまり之が、即ち拙者のファルス精神でありますが、
ところで――
(まづ前もつて白状することには、私は浅学で、此の一文を草するに当つても、何一つとして先人の手に成つた権威ある文献を渉猟してはゐないため、一般の定説や、将又ファルスの発生なぞといふことに就て一言半句の差出口を加へることさへ不可能であり、従而、最も誤魔化しの利く論法を用ひてやらうと心を砕いた次第であるが――この言草を、又、ファルス精神の然らしめる所であらうと善意に解釈下されば、拙者は感激のあまり動悸が止まつて卒倒するかも知れないのですが――)