そして、この凡有ゆる物への冷酷な無関心に由つて、結局凡有ゆる物を肯定する、といふ哀れな手段を、ファルス作家は金科玉条として心得てゐるだけである。
一体ファルスといふものは、何国に由らず由来最も衒学的(出来損ひの――)なものであるが、西洋では、近世に近づくに順つて、次第にファルスは科学的に――と言ふのもちと大袈裟であるが、つまりファルス全体の構成が甚しくロヂカルになつてきた。
従而、その文章法なぞも、ひどくロヂカルにこねくり廻された言葉のあやに由つて、異体の知れない混沌を捏ね出さうとするかのやうに見受けられる。