浮世風呂、浮世床であるとか、西洋では、〔Mai^tre Pathelin〕(仏蘭西の十五世紀頃の作品)、なぞがさうである。
私達のファルスは、この方面に尚充分に延びて行く可能性があるやうに考へられるし、又この逆に、概念的な、奇想天外な乱痴気騒ぎにしてからが、まだまだ古来東西にわたつて甚だシミッタレなところがあつた。
なまじひに科学的な国柄だけに西洋の方に此の弊が強く、例へば、オスカア・ワイルドに「カンタビイルの幽霊」といふものがあるが、日本の落語に之と全く同一の行き方をしたものがあつて――題は忘れてしまつたが、(隠居がお化けをコキ使ふ話)、私には、その落語の方が、はるかに羽目を外れて警抜であつたために、ケタ違ひの深い感銘を受けたことを覚えてゐる。