これ迄は自宅で療養してゐたが、この時は父が死亡して落魄の折だから三等患者として入院し、更に又公費患者に移されてゐた。
家族達は辰夫の生涯を檻の中に封じる所存か、全く見舞にも来なくなつた。
辰夫は檻の中で全快したが、公費患者の退院には保護者の保証が必要であるし、それに辰夫は三等患者時代の費用が百円程借りになつてゐたので、退院することが出来なかつた。
これ迄は自宅で療養してゐたが、この時は父が死亡して落魄の折だから三等患者として入院し、更に又公費患者に移されてゐた。
家族達は辰夫の生涯を檻の中に封じる所存か、全く見舞にも来なくなつた。
辰夫は檻の中で全快したが、公費患者の退院には保護者の保証が必要であるし、それに辰夫は三等患者時代の費用が百円程借りになつてゐたので、退院することが出来なかつた。