すると看護人に伴なはれた辰夫は別な廊下へ――そこには鉄の扉が三ヶ所にも鎖されてゐるが、まるで私をも幽閉する音のやうに鋭い金属の響を放ち、彼等の去り行く跫音と共に次々に開閉される憂鬱な響が地獄のやうな遠方から聞えてくる。
矢張り明日も来なければならないと、悲痛な思ひで決意を強ひられる次第であつた。
ところが此の病院では私の心掛けが殊勝だといふのであらうか、三十分に規定された面会時間を一時間に――あゝ延長してくれた。
すると看護人に伴なはれた辰夫は別な廊下へ――そこには鉄の扉が三ヶ所にも鎖されてゐるが、まるで私をも幽閉する音のやうに鋭い金属の響を放ち、彼等の去り行く跫音と共に次々に開閉される憂鬱な響が地獄のやうな遠方から聞えてくる。
矢張り明日も来なければならないと、悲痛な思ひで決意を強ひられる次第であつた。
ところが此の病院では私の心掛けが殊勝だといふのであらうか、三十分に規定された面会時間を一時間に――あゝ延長してくれた。