そして、「気狂ひのくせにバタが欲しいなんて斯んな僭越な奴があるでせうか、ねえ貴方……」ひどく馴れ馴れしく斯う言ひ乍ら、遂ひ私をも同腹一味の徒党にして頻りに辰夫の悪口を私と共に語りたいとするのであつた。
彼奴は発狂の当初妾を殺さうとしたとか、今度彼奴が娑婆へ出たら本当にしめ殺されて了ふ等とゾッと顫え乍ら、又急に私の顔を眺めてニヤ/\と冷笑を送つたりする。
私は仕方がないので、「どうもお気の毒です」とか、「ごもつともです」と至極丁重にお辞儀をして、その日はそれなり帰るのである。
そして、「気狂ひのくせにバタが欲しいなんて斯んな僭越な奴があるでせうか、ねえ貴方……」ひどく馴れ馴れしく斯う言ひ乍ら、遂ひ私をも同腹一味の徒党にして頻りに辰夫の悪口を私と共に語りたいとするのであつた。
彼奴は発狂の当初妾を殺さうとしたとか、今度彼奴が娑婆へ出たら本当にしめ殺されて了ふ等とゾッと顫え乍ら、又急に私の顔を眺めてニヤ/\と冷笑を送つたりする。
私は仕方がないので、「どうもお気の毒です」とか、「ごもつともです」と至極丁重にお辞儀をして、その日はそれなり帰るのである。