私は此処へ坐らされた瞬間からもう煙のやうな私、掴まへどころのない憂鬱と不安とに怯えきつて縮んでゐた。
時々この広々とした板の上を白い看護婦達がスリッパを鳴らして通るのだが、私は眼を上げる気力さへ失ふて今にも消滅するやうであつた。
春が近づいた頃私は辰夫の令兄から甚だ感傷的な、それはまるで小女雑誌の投書のやうな長文の手紙を受取つてゐた。
私は此処へ坐らされた瞬間からもう煙のやうな私、掴まへどころのない憂鬱と不安とに怯えきつて縮んでゐた。
時々この広々とした板の上を白い看護婦達がスリッパを鳴らして通るのだが、私は眼を上げる気力さへ失ふて今にも消滅するやうであつた。
春が近づいた頃私は辰夫の令兄から甚だ感傷的な、それはまるで小女雑誌の投書のやうな長文の手紙を受取つてゐた。