気がつかないうちに、ひどく疲れてしまつた自分を、その時やうやく、そして記憶のやうな遠さの中に発見し、長い溜息を洩らした。
その黄昏、最後の会社を後にした呂木は、郊外の下宿まで歩いて帰らうと思つた。
道はもう闇の底に沈んだころ、途中からひそひそと霙が降りだした。
気がつかないうちに、ひどく疲れてしまつた自分を、その時やうやく、そして記憶のやうな遠さの中に発見し、長い溜息を洩らした。
その黄昏、最後の会社を後にした呂木は、郊外の下宿まで歩いて帰らうと思つた。
道はもう闇の底に沈んだころ、途中からひそひそと霙が降りだした。