坂口安吾 『Pierre Philosophale』 虚しい部屋のなかに、何事か決意を頷く人がゐた。 いぶかしげな乱れた思案が、ぼやけた部屋の明るみを燻るやうに湧き漂ひ、うなだれた呂木の心を無限の遠さへ連れていつた。 呂木はその夜、壁に長々としるされた自分の影に、余り明瞭な他人を知つた。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア