二人は、行き交ふ万人の男女に心を惹かれてきたよりも、もつと稀薄な恋心で、いはば獣の情慾で露骨に結び合つたのだ。
それでも呂木は、死のためになら別なふうに、たとへば宝石を愛すやうに愛せることを確信した。
存在が絶滅し去ることの凄艶な美しさ――その、生きるものの考へあたはぬ白熱の美を、呂木は最も壮大な、そして静かな形のなかに、不思議に其れを実感のなかで夢見たやうな心持がした。
二人は、行き交ふ万人の男女に心を惹かれてきたよりも、もつと稀薄な恋心で、いはば獣の情慾で露骨に結び合つたのだ。
それでも呂木は、死のためになら別なふうに、たとへば宝石を愛すやうに愛せることを確信した。
存在が絶滅し去ることの凄艶な美しさ――その、生きるものの考へあたはぬ白熱の美を、呂木は最も壮大な、そして静かな形のなかに、不思議に其れを実感のなかで夢見たやうな心持がした。