坂口安吾 『麓』 そして、白樺の高原を踏む荒い単調な跫音に就て考へた。 籐椅子に凭れずに、尠し上体を前こごみにすると、隣の部屋に編み物をする弟の妻、ことし三十になる女の半身が見えるのである。 もう二尺籐椅子を前へ動かすと、こごまずにも女の全身が見えるであらう。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア