坂口安吾 『麓』 時雨に濡れた高原を踏み、濡れた冬空の下では濡れた灰色にぶす/\光る二連銃を担ひ、静かに白樺の間を通る鼻髭を思つた。 冷めたい部屋に端坐して多彩なものを燻しながら濡れた鼻髭を思ふ一人の女。 そして馬耳に、男と女の静寂な秘密が分つてきた。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア