坂口安吾 『麓』 龍夫は裏門をくゞり、玄関へは廻らずに、築山をぬけて、庭先から、馬耳と籐椅子のある縁側へ辿りついた。 龍夫は縁側の前に立ち止り、そして佇み、出迎への女と籐椅子の馬耳を代る代る眺め廻して笑ふのである。 二人の顔を剽軽に眺め、ながいあいだ笑つてゐた。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア