坂口安吾 『麓』 高原の冷気が濡れた流れとなつて冷え冷えと運ばれてくる庭先で、馬耳は女と立話を交したことがあつた。 まだ朝靄がこめてゐて、間近い人像も深い水中のものに見えた静かな早朝のことである。 女はひつそりした水底から浮かびでてくる。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア