坂口安吾 『麓』 彼は苛立たしい空虚を紛らすために、遠廻りして、人家のある本道のみを歩いた。 丘の上、道の下、畑を越えて、人家はぽつ/\零れてゐた。 学校にまだ居残つてゐる筈の梶子を思ひだすたびに、不器用な、素知らぬ顔を装ふて足を速めねばならなかつた。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア