坂口安吾 『麓』 室内には已に闇がたちこめてゐたが、森閑として、燈火がなかつた。 併しストーブの周囲には、長い沈黙に倦み疲れた二体の像が、衰へきつて並んでゐた。 薄明の校庭から、薄く悲しく流れるものが、硝子を通り、部屋の闇へ冷え冷えと運ばれてきた。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア