そこで、ややともすればチグハグなヘマなことばかりやりがちな、けれどもそれを憎むことはできさうもない此の変テコな現実といふものに静かに腰を下してみて、さて、我々の異常に辛辣な頭も暫く休め、そして頭をこの変テコな現実よりも辛くない程度に、つまり現実と同じ低さの平地へ置き並べて、静かに考へ直してみやう。
さうすると、今までお前の考への中ではずいぶん見すぼらしく、だらしなく甘く浅薄なものだつた現実が、実は宇宙の全てであつたといふやうな途方もない滑稽に突き当つたりしてしまふ。
そして辛辣な考への中では、星よりも遠く儚かつた夢といふ非現実的なものが、実は現実の姿の中で、しつかりと、ほんとに生き生きと宿つてゐるのだといふことが、はつきりした事実となつて分つてしまつたりする。