僕は今建てかけてゐる観察の門のなかにこれはなんと小さいみすぼらしい子供の門だらう、だが、この中に「坊ちやん」の底を流れてゐる快活な正義観でもいい、やつぱり幼稚な正しいものを持ちたいと考へてゐるところです。
私は深い同感と共にこの手紙を読んだ。
そして私はこの手紙によつて、つまらない虫のことでも思想の光にあへば下へも置けぬほど貴いものになることを教へられたばかりでなく、私の小説も、その描写の歩をそろへて思想の向きへ進行をつづけなければならないと思つた。
僕は今建てかけてゐる観察の門のなかにこれはなんと小さいみすぼらしい子供の門だらう、だが、この中に「坊ちやん」の底を流れてゐる快活な正義観でもいい、やつぱり幼稚な正しいものを持ちたいと考へてゐるところです。
私は深い同感と共にこの手紙を読んだ。
そして私はこの手紙によつて、つまらない虫のことでも思想の光にあへば下へも置けぬほど貴いものになることを教へられたばかりでなく、私の小説も、その描写の歩をそろへて思想の向きへ進行をつづけなければならないと思つた。