いはば全く張合ひがなかつたのである。
こんな男を相手にするのはまるで雲を掴むやうなもので、あいつは馬鹿だと決めなければ、こつちが馬鹿を見るばかりだと人々は考へた。
そこで初めは此の男に極度の好奇心を燃した人々も、全く拍子抜けがしてしまつて、彼が自殺の部屋へ引越して三日とたたないうちに皆んな此の男を忘れてしまつた。
いはば全く張合ひがなかつたのである。
こんな男を相手にするのはまるで雲を掴むやうなもので、あいつは馬鹿だと決めなければ、こつちが馬鹿を見るばかりだと人々は考へた。
そこで初めは此の男に極度の好奇心を燃した人々も、全く拍子抜けがしてしまつて、彼が自殺の部屋へ引越して三日とたたないうちに皆んな此の男を忘れてしまつた。