坂口安吾 『訣れも愉し』 私は時々太郎さんの中に失はれた私自身を悲しく感じたりすることがあつた。 けれども二人は余程違つてもゐたのである。 つまり私があくまで静穏な気配の中で倦み疲れたやうにただ茫然と自分を失つてゐたのにひきかへ、彼は激しい暴風の中で自分を失つてゐた。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア