あとで谷底の水源を探つてみると、水の流れ口に朽葉がつまつてゐるのを見出しました。
玩具のやうな夢に富んだ丸木小屋も娘の心を幻想の世界へ連れさることができませんでした、なぜといへば、谷川にかかつて以来、緊張と亢奮によつて、娘はまつたくうはの空でしかなかつたからであります。
来るべきものに対するあらゆる感情の交錯と緊張によつて、娘は歩きながら又話しながら、そのまま酔ひまた化石したやうでありましたが、すでに青年のものに等しい娘の有様が実は却つて青年の心を最も重苦しい気おくれの中へ、恰も手掛りのない穴の中へ、突き落されたかの感をいだかせるのでありました。