坂口安吾 『蒼茫夢』 夕食の時間までは何事もなかつた。 黝ずんだ電燈の下で夕食も終ると、一日の心がやうやく帰つてきたやうな、遠い疲れと放心がわかるのだつた。 すると、その時までは何の別状も見えなかつた弥生が、突然部屋の片隅ではりさけるやうに泣きだした。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア