坂口安吾 『蒼茫夢』 すでに全ての燈火は消え、夜空にくりぬかれた風洞のやうな、巨大な黒色の影となつてのしかかつてゐた。 なぜか草吉はひかれるやうに四角な広い坂囲ひを一周した。 大きな澱める虚しさが、草吉の心に休息に似た静かな愁ひを与へるのだつた。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア