坂口安吾 『蒼茫夢』 と、弥生は欷泣きながら言つた。 「あたしのほんとの悲しい気持は誰にも分つてもらへないわ……」 ところがまもなく泣きやんでしまふと、忽ち浮き浮きと笑ひはじめ、「ふん、ヒステリーだよ」と何の翳もない無邪気な両眼を輝やかせながら呟いてゐるのだ。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア