坂口安吾 『蒼茫夢』 草吉は朦朧と立上つた。 なにか虚しい霧雨のやうな屈託が降りしきつてゐて、それまでは物を言ふ気持も浮かばなかつたし、人々の話も夢の彼方のやうにしか聞えてこないのであつた。 草吉は大森海岸の方へ歩きだした。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア