まだ充分に三四町の距離はあつたのだ。
草吉はちらかつたまさ子の足駄を拾ひあつめ、これを片手にぶらさげて、逆にゆつくり歩きはじめた。
この機会に改めて海の四方をはるばると眺めやると、苦悶のみなぎつた海の姿も、狂ひたつうねりのままに大いなる不動の静寂を宿してゐることが分るのだつた。
まだ充分に三四町の距離はあつたのだ。
草吉はちらかつたまさ子の足駄を拾ひあつめ、これを片手にぶらさげて、逆にゆつくり歩きはじめた。
この機会に改めて海の四方をはるばると眺めやると、苦悶のみなぎつた海の姿も、狂ひたつうねりのままに大いなる不動の静寂を宿してゐることが分るのだつた。