草吉はちらかつたまさ子の足駄を拾ひあつめ、これを片手にぶらさげて、逆にゆつくり歩きはじめた。
この機会に改めて海の四方をはるばると眺めやると、苦悶のみなぎつた海の姿も、狂ひたつうねりのままに大いなる不動の静寂を宿してゐることが分るのだつた。
草吉の心にも、その荒涼とした休息が、言語を絶した物憂さとなつて、静かに流れてくるのであつた。
草吉はちらかつたまさ子の足駄を拾ひあつめ、これを片手にぶらさげて、逆にゆつくり歩きはじめた。
この機会に改めて海の四方をはるばると眺めやると、苦悶のみなぎつた海の姿も、狂ひたつうねりのままに大いなる不動の静寂を宿してゐることが分るのだつた。
草吉の心にも、その荒涼とした休息が、言語を絶した物憂さとなつて、静かに流れてくるのであつた。