そこで椋原孔明氏は何もしないといふことの底知りがたい平和の歓喜をこんなに強く感じたこともないのだつた。
まる九日のあひだといふもの殆んど寝床にもぐり通して暮してゐたが、こんな柔らかな幸福には生れてこのかた巡りあつた記憶がなかつた。
第二の人物を訪ねる時には、椋原孔明氏の胎内に臆病といふチャチな悪魔が棲みはじめてゐた。
そこで椋原孔明氏は何もしないといふことの底知りがたい平和の歓喜をこんなに強く感じたこともないのだつた。
まる九日のあひだといふもの殆んど寝床にもぐり通して暮してゐたが、こんな柔らかな幸福には生れてこのかた巡りあつた記憶がなかつた。
第二の人物を訪ねる時には、椋原孔明氏の胎内に臆病といふチャチな悪魔が棲みはじめてゐた。