汽車の尻尾が消えてしまふと、孔明氏はホッとして振返つた。
汗がグッショリ滲んでゐたが、ヤレ/\これでひとまづ一難すぎさつたといふ戸惑ひした梟のやうなガサツな平和が流れてきた。
――なるほど金談を切りだすに当つて、これ程あと腐れのない好機会といふものは、これを仕事に狙つてゐてもめつたにぶつかるものではない。
汽車の尻尾が消えてしまふと、孔明氏はホッとして振返つた。
汗がグッショリ滲んでゐたが、ヤレ/\これでひとまづ一難すぎさつたといふ戸惑ひした梟のやうなガサツな平和が流れてきた。
――なるほど金談を切りだすに当つて、これ程あと腐れのない好機会といふものは、これを仕事に狙つてゐてもめつたにぶつかるものではない。