夜は夜で嗚呼生ける季節の祝典のために村芝居の支度にとりかかるのですが、折もあれ嗚呼村一番の義太夫語り鎮守の神主が嗚呼風をひくといふ嗚呼驚きに襲はれます。
芝居の初日もさしせまつたこととて嗚呼村人の心痛は一方ならず、村医者は嗚呼枕頭につききり、青年団も嗚呼徹宵看護につとめますが、神主は嗚呼村医者の薬餌には見向かうともせず嗚呼長年の習慣どほりの一升酒でみるみる嗚呼治つてしまふのです。
さて又村芝居の始まる頃は嗚呼桜もチラホラ咲きはじめ、やがては又嗚呼泌みるがやうなあの青葉の季節、嗚呼山また山の青葉をわたる広々とした嗚呼爽やかな嗚呼初夏の嗚呼風、嗚呼さては又嗚呼谷底の嗚呼雑草の嗚呼陰に嗚呼顔をだす嗚呼名も知らぬ嗚呼小さな嗚呼花花。