ジイドはロシヤ人の愛と憎悪の激しい転換を指摘してゐますが、年がら年中内攻してゐる日本人、異体の知れない不当な自卑にギュウギュウうなされてゐる日本人には、愛と憎悪の転換くらゐてんで目新らしいことでさへなく、自卑が一瞬にしてドンキホーテの夢となり、帝王の自恃となり世界を相手の憎しみとなり、なにしろちよつと考へただけでも実にはや忙しいことではありませんか。
先刻日本人であることにウンザリしてゐると述べたくせに、ふと気がついたら日本人であることをひどく嬉しがつてゐるやうですね。
我ながら呆れました。
ジイドはロシヤ人の愛と憎悪の激しい転換を指摘してゐますが、年がら年中内攻してゐる日本人、異体の知れない不当な自卑にギュウギュウうなされてゐる日本人には、愛と憎悪の転換くらゐてんで目新らしいことでさへなく、自卑が一瞬にしてドンキホーテの夢となり、帝王の自恃となり世界を相手の憎しみとなり、なにしろちよつと考へただけでも実にはや忙しいことではありませんか。
先刻日本人であることにウンザリしてゐると述べたくせに、ふと気がついたら日本人であることをひどく嬉しがつてゐるやうですね。
我ながら呆れました。