勿論働かないことをもつて一生の主義とするといふやうな尤もらしい主張があつたわけではなく、むしろあべこべに、元来主張するところのものを何一つ持てないほど無気力で弱気で、そのうへ生活の金には全然こと欠かないところから、ずるずるべつたり四十七年ぼんやり暮したわけであつた。
平凡無難といへばこの人ほど平凡無難な金持もないわけで、類ひのないほど人が好かつた。
蒲原氏の顔を描くには、まづ福々しい一つの円を想像し、そこへ小粒な、然しこれもまるまるとした目鼻口をちよぼ/\と落すだけでいいのであつた。
勿論働かないことをもつて一生の主義とするといふやうな尤もらしい主張があつたわけではなく、むしろあべこべに、元来主張するところのものを何一つ持てないほど無気力で弱気で、そのうへ生活の金には全然こと欠かないところから、ずるずるべつたり四十七年ぼんやり暮したわけであつた。
平凡無難といへばこの人ほど平凡無難な金持もないわけで、類ひのないほど人が好かつた。
蒲原氏の顔を描くには、まづ福々しい一つの円を想像し、そこへ小粒な、然しこれもまるまるとした目鼻口をちよぼ/\と落すだけでいいのであつた。