二軒目の骨董店でそこにも徳利のないことが分つたとき、たうとう蒲原氏は物も言はずただフラフラと店頭をはなれて、暗い方へ暗い方へとまるで暗闇の奥へ大きな力で引かれるやうにスタスタ歩きこんでいつたが、突然後ろを振向いて、ウロウロと騒ぐ視線で浩平の様子を見まもりながら、
「あの、戸隠山は近いのですか?
と、かなり突きつめた調子の早い口調できいた。
二軒目の骨董店でそこにも徳利のないことが分つたとき、たうとう蒲原氏は物も言はずただフラフラと店頭をはなれて、暗い方へ暗い方へとまるで暗闇の奥へ大きな力で引かれるやうにスタスタ歩きこんでいつたが、突然後ろを振向いて、ウロウロと騒ぐ視線で浩平の様子を見まもりながら、
「あの、戸隠山は近いのですか?
と、かなり突きつめた調子の早い口調できいた。