その遺跡は温泉から一里あまり道程のある中尾といふ部落にあつた。
宿の者に道順を尋ねると、困惑した笑ひを浮べながら、へんてつもない所でわざわざ行く人もありませんがマア散歩がてら行つておいでなさいましと、言ふのであつた。
さういふ言葉でも大体の予想はつくのだが、行つてみると成程へんてつもない所で、なんとなく薄暗い感じのする小さな部落の片隅に、池といふよりは水溜りとよぶにふさはしいものがあつて、水の色も見えないくらゐ葦の密生するところがそれであつた。
その遺跡は温泉から一里あまり道程のある中尾といふ部落にあつた。
宿の者に道順を尋ねると、困惑した笑ひを浮べながら、へんてつもない所でわざわざ行く人もありませんがマア散歩がてら行つておいでなさいましと、言ふのであつた。
さういふ言葉でも大体の予想はつくのだが、行つてみると成程へんてつもない所で、なんとなく薄暗い感じのする小さな部落の片隅に、池といふよりは水溜りとよぶにふさはしいものがあつて、水の色も見えないくらゐ葦の密生するところがそれであつた。