「一里ですぜの」
女ははつきりさう答へ、蒲原氏がお礼の意味でガックリ頷くのを見ると、なほも何やら労はりたげな様子であつたが、ふりむいて、軽々と歩きだした。
女が歩きだすのを見ると、蒲原氏のあらゆる力は一時に霧散し全ての疲労がこみあげてきて、石の冷めたさが肌に沁みる山径の上へ、みる/\べつたり尻もちをついてしまつたのであつた。
「一里ですぜの」
女ははつきりさう答へ、蒲原氏がお礼の意味でガックリ頷くのを見ると、なほも何やら労はりたげな様子であつたが、ふりむいて、軽々と歩きだした。
女が歩きだすのを見ると、蒲原氏のあらゆる力は一時に霧散し全ての疲労がこみあげてきて、石の冷めたさが肌に沁みる山径の上へ、みる/\べつたり尻もちをついてしまつたのであつた。