改めて慄然たる心細さに襲はれた蒲原氏は、一散に山を馳せくだり、折よく一本のかなりに広い径をみつけてその径の走る方へと辿つて行くと、雑草の繁つた峠を越え、全く夜が落ちてから一つの部落へ着くことができた。
そこは兎口だつた。
漸く我に返つた思ひで本街道へ降りたところが、偶然下の温泉の方から何処行きとも分らない乗合自動車が通りかかつた。
改めて慄然たる心細さに襲はれた蒲原氏は、一散に山を馳せくだり、折よく一本のかなりに広い径をみつけてその径の走る方へと辿つて行くと、雑草の繁つた峠を越え、全く夜が落ちてから一つの部落へ着くことができた。
そこは兎口だつた。
漸く我に返つた思ひで本街道へ降りたところが、偶然下の温泉の方から何処行きとも分らない乗合自動車が通りかかつた。