このひと後に信濃守某に嫁し、その一生を終るのですが、「年月は過ぎかはり行けど、夢のやうなりしほどを思ひいづれば、心地もまどひ、目もかきくらすやうなれば、そのほどのことは、まださだかにもおぼえず。
人々はみな外にすみあかれて、故郷にひとり、いみじう心ぼそくかなしくて、ながめあかし侘びて、久しうおとづれぬ人に、
茂りゆく蓬が露にそぼちつつ人に問はれぬねをのみぞなく
このひと後に信濃守某に嫁し、その一生を終るのですが、「年月は過ぎかはり行けど、夢のやうなりしほどを思ひいづれば、心地もまどひ、目もかきくらすやうなれば、そのほどのことは、まださだかにもおぼえず。
人々はみな外にすみあかれて、故郷にひとり、いみじう心ぼそくかなしくて、ながめあかし侘びて、久しうおとづれぬ人に、
茂りゆく蓬が露にそぼちつつ人に問はれぬねをのみぞなく